「終活」の前に「結活」を。55歳の私が遅咲きの女性たちに会いに行く理由

Dream signage surrounded sequins

「何を始めるのにも、遅すぎることはない」

そんな言葉を聞くと、心がふっと軽くなりませんか? 「そうだ、私もやってみよう!」って、一瞬、前向きな気持ちになる。

でもその直後、ふと思うんです。 「とはいえ、もうこの年なんでね…」って。

私は今、55歳。人生で言えば、もう後半に入っています。 前向きになったり、ブレーキをかけたり。 この矛盾した気持ちは、きっとあなたにもあるはず。

「終活」という言葉を、よく耳にするようになりました。 でも私は思うのです。人生の終わりに向けた準備よりも、最期まで生命力を感じて生きることの方が大切なのではないかと。 私はそれを「結活」と呼んでいます。 人生を結ぶための活動。今日から、そんな「結活」を実践する女性たちを紹介していきます。

だからこそ、私は実際に人生の後半で花開いた女性たちの人生を知りたいと思いました。 言葉だけの励ましじゃなく、本当の人の物語から、リアルに実現可能な何かをつかんでみたい。 そして、それをあなたとも分かち合いたいのです。

第一回:若宮正子さん – 58歳でパソコンを触った普通の銀行員

今日紹介するのは、若宮正子さん。現在89歳、現役のITエヴァンジェリストです。

「すごい人なんでしょ?」って思いましたか? いいえ、若宮さんは特別な人ではありません。

高校卒業後、三菱銀行に就職。定年まで普通の銀行員として働きました。 そろばんで計算し、インク壺にペンを浸して通帳に記入する。 不器用で、先輩に「まだ終わらないの?」と言われることもあったそうです。

そんな若宮さんがパソコンを買ったのは、58歳のとき。 新しいもの好きだから、ただ「面白そう」と思って買っただけ。 最初は何もわかりませんでした。

nude woman sitting on brown wicker chair

制約の中で見つけた、翼

若宮さんの人生が大きく変わったのは、お母様の介護が始まってからです。

おしゃべりで出かけ好きだった若宮さん。 でも母のそばにいなければならない。 外出できない日々の中で、パソコンが世界とつないでくれました。

「まるで翼をもらったみたいでした」

若宮さんはそう語っています。

狭い介護の部屋にいても、インターネットを通じて世界中の人と交流できる。 メロウ倶楽部というシニア向けのオンラインコミュニティを立ち上げ、副会長も務めるようになりました。

制約があっても、可能性は開ける。 むしろ、制約があるからこそ、新しい扉が開くこともある。

white bird over green grass

「やってみたい」と思ったら、もう始まっている

若宮さんは81歳のとき、ひな人形を正しく並べるゲームアプリ「hinadan」を開発しました。 プログラミングなんて、それまで一度もやったことがなかったのに。

「面白そう」 「やってみたい」

そう思った瞬間が、スタートライン。 わからないことは、人に教えてもらいながら。 完璧じゃなくていい。とにかく始めてみる。

結果として、AppleのCEOに招待され、国連でスピーチもしました。 でもそれは、「やってみたい」という気持ちに正直に生きた結果です。

現在89歳の若宮さんは、今も現役で活動を続けています。

rainbow over cityscape during daytime

私が若宮さんから受け取ったもの

若宮さんの物語を読んで、私が感じたこと。

それは、「特別な才能」じゃなくて「好奇心」と「行動」なんだということ。 そして、人生の後半だからこそ持てる、自由さや時間があるということ。

私は葬祭業を通じて、たくさんの人生の最期に立ち会ってきました。 そこで感じるのは、「やり残したこと」への後悔よりも、 「やってみたかった」という想いを胸に秘めたまま旅立つ人の多さです。

だからこそ、私は「結活」という考え方を提唱しています。 人生の終わりに向けた準備ではなく、 最期まで生命力を感じて生きる活動。

若宮さんの生き方は、まさにそれだと思うのです。

a couple of wooden chairs sitting on top of a lush green field

あなたも、私も

「もうこの年なんでね」

そう言いたくなる気持ち、私にもあります。 でも、若宮さんは教えてくれました。

58歳でパソコン。 介護中にインターネット。 81歳でアプリ開発。

どの年齢も、「遅すぎる」なんてなかった。

次回も、人生の後半で花開いた女性を紹介していきます。 一緒に、可能性を分かち合いましょう。

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