『ご機嫌な私』への入り口だった。断捨離は片付けの話じゃない

silhouette photography of woman standing on right foot

刈谷市の市民講座、参加費はたったの500円。 この金額で得られた時間は、まさに「気づきの嵐」でした。

講師は山下ひで子さん。 「断捨離=片付け」だと思っていた私の認識は、この日、大きく揺さぶられることになります。

断捨離はどこから生まれたのか―ヨガからの着想

山下さんの話は、断捨離の起源から始まりました。

やましたひでこさんがヨガの実践を通じて着想を得た「断捨離」。 それは単なる片付け術ではありませんでした。

「断捨離」とは、「断(不要なモノを断つ)、捨(不要なモノを捨てる)、離(モノへの執着から離れる)」を実践し、「今、自分にとって本当に必要なもの」を見極めて、人生のステージに合わせてモノとの関係性を整理する自己探求のメソッドです。

ヨガが心と体をつなぐ実践であるように、断捨離はモノと心をつなぐ実践なのです。

shallow focus photography of paper bags

「知っている」と「実践する」の深い溝

講座の参加者のほとんどが断捨離を知っている人たちでした。

「知っていますか?」と聞かれれば、多くの人が手を挙げるでしょう。 でも「実践していますか?」と問われたら?

更には例え、実践している人でも、「もう一つ深まらない」と感じている。

この「知っている」と「実践している」、そして「深く実践している」の間には、想像以上の距離があるのです。

A pile of books sitting on top of a table

1500人中、たった3人―衝撃の現実

そして、会場に投げかけられた質問。

「片付けが得意な方、手を挙げてください」

山下さんが会場に向かって声をかけました。約1500人ほどの参加者でした。実際に手を挙げたのはたったの3名ほどでした。

得意か? 好きか? と聞かれて手を挙げる人は、ほぼいない。 圧倒的多数は「不得意」「どうやって片付けていいかわからない」。

でも、こう聞かれたらどうでしょう?

「片付いている空間は好きですか?」

おそらく、ほとんどの人が「好き」と答えるはずです。

この矛盾。 「片付けは面倒」だけど「片付いた空間は好き」。 ここに、私たちの不機嫌の種が隠れていました。

a living room filled with furniture and a large window

不機嫌の種は、空間の中で育つ

イライラする。 物事が捗らない。 物が溜まっていけば行くほど、心が鬱々としてくる。

山下さんは、会場の席を例えにこんな風に説きました。

「一人の席に、一人で座る」 これは快適です。 でも「一人の席を、二人で座る」としたら?

窮屈で、動けない。圧迫感を感じる。 気持ちが沈む。気持ちが動かない。 鬱々となる。

これが、不機嫌の正体でした。

ご機嫌の反対側に、私たちは知らず知らずのうちに立っているのです。

だとしたら私たちの家は、モノたちに席を奪われていると言えるのではないのか?

clear bubbles in the air

空間=環境=私

ここで、山下さんは核心を突きます。

「空間イコール環境なんです」

気持ちを変えるのは、ハードルが高い。 「ご機嫌になろう」と思っても、そう簡単にはいきません。

でも、快適な空間に包まれると? 自然とご機嫌になれる。

ご機嫌な空間が、ご機嫌な私を作る。

断捨離は、片付けの話ではありませんでした。 それは、自分自身の「ご機嫌」を取り戻す話だったのです。

a person standing on a white platform

結活として

私は、「結活」という概念を提唱しています。 人生の終わりに向かって準備する「終活」ではなく、人とつながり、自分とつながり、生き生きと「結ぶ」活動です。

山下さんの断捨離の話を聞いて、確信しました。

自分の空間を整えることは、自分自身とつながること。 ご機嫌な空間の中で、ご機嫌な自分として生きること。

これは、まさに結活そのものです。

明日も講座のお話しは続きます。 この先に、どんな気づきが待っているのか。

たった500円で得たこの豊かな学びを、何回かに分けてお裾分けしていきます。


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※この記事は、刈谷市民講座で山下ひで子さんから学んだ内容を、私の解釈を入れて、感じたままにまとめたものです。

(次回に続く)


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