体力の衰えを補う家の工夫、プロが教える10のヒント

a person using a vacuum to clean a carpet

こんにちは。葬儀の現場から感じることについてお話ししてみますね。私たちは、様々なご家庭のお別れに立ち会う中で、多くの「あの時もっと早く整理しておけば」というお声を伺ってきました。今日は、体力の衰えを感じ始める前に知っておいていただきたい、家の片付けのヒントをお伝えします。

1. 書類の整理が最優先

ご遺族の方が最も困られるのが、重要書類の管理です。体力に関係なく、今すぐできる整理からはじめましょう。

  • 保険証書、年金手帳、銀行通帳の保管場所を一箇所に
  • 通帳と印鑑は別々の場所に保管
  • 医療情報(かかりつけ医、持病、服用中の薬)をリスト化
  • 公共料金の支払い方法の書類をファイリング
white printer paper

2. 思い出の品は「今」選ぶ

体力があるうちに、大切な思い出の品を自分で選び、整理することをお勧めします。

  • アルバムの整理(デジタル化も検討)
  • 子供の成長記録や記念品の選別
  • 着物や家族の大切な品の整理
  • 処分したくない物にはメモを添付

3. 収納は「取り出しやすさ」重視で

年齢とともに、高いところや床に近い場所での作業が困難になります。

  • 日用品は背伸びせず手が届く位置に
  • 重いものは無理に上の棚に置かない
  • 床置きの収納を減らす
  • 取り出し頻度で収納場所を決める

4. 薬の管理方法の見直し

服用する薬が増えてくる年齢だからこそ、管理方法を工夫しましょう。

  • お薬手帳の一元管理
  • 一週間分の薬箱の活用
  • 期限切れ薬の定期的な処分
  • 市販薬の在庫管理

5. 衣類の適正量を保つ

体力の消耗を防ぐため、洗濯物の量を適正に保ちましょう。

  • セットで着る服を近くに収納
  • 季節外の衣類は収納ボックスへ
  • サイズが合わない服は処分
  • 思い出の服は写真に残して手放す
white and orange window curtain

6. 「もしも」のための備品整理

緊急時に必要な物をすぐに取り出せるよう整理します。

  • 救急箱の定期的な中身確認
  • 常備薬のストック管理
  • 保険証のコピーを携帯用に
  • 緊急連絡先リストの更新

7. キッチン周りの整理

毎日の料理が楽になる工夫を。

  • 使用頻度の低い食器の処分
  • 重い鍋やフライパンは使いやすい場所に
  • 賞味期限切れ食品の定期チェック
  • 調味料の適正量管理

8. 寝室まわりの片付け

安全で快適な睡眠環境のために。

  • ベッド周りの整理整頓
  • 予備の寝具は一組だけに
  • 照明のスイッチまでの動線確保
  • 常備薬の置き場所の確保

9. 定期的な処分の習慣化

「溜め込まない」習慣づくりが大切です。

  • 新聞・雑誌は1週間で処分
  • 不要な郵便物はその日のうちに
  • 使わない電化製品の見直し
  • 期限切れ食品の月1回チェック
clothes hanged inside wardrobe

10. デジタル整理は子供と一緒に思い出作り

デジタル機器の操作に不安を感じたら、それを子供や孫との思い出作りの機会に変えてみましょう。

  • 古いアルバムを一緒にデジタル化しながら、写真にまつわる思い出を語り合う
  • 重要書類の整理をきっかけに、家族の歴史や大切にしてきた価値観を伝える
  • スマートフォンの使い方を教えてもらいながら、日々の暮らしの様子を共有
  • 家族グループLINEで孫の成長を見守りながら、自分の子育ての経験を伝える

まとめ

私たち葬儀社の者が痛感するのは、元気なうちからの整理整頓の大切さです。ご家族が困られることの多くは、実は日頃からの少しの心がけで防ぐことができます。

特に重要なのは、「書類の整理」「思い出の品の整理」「医療関連の情報管理」です。これらは、ご家族が最も助かる部分でもあります。

体力の衰えを感じ始めたら、無理のない範囲で、できることから始めていきましょう。そして、必要に応じて、ご家族やケアマネージャーさんなど、周りの方々に相談することも大切です。

最後に、整理は決して「断捨離」ではありません。むしろ、家族との絆を深め、大切な思い出や価値観を次の世代に引き継いでいく大切な機会となるのです。デジタル技術との付き合い方に戸惑うことも、世代をつなぐコミュニケーションのきっかけとして活かしていきましょう。そうすることで、整理整頓は単なる物の整理ではなく、家族の思い出と絆を育む温かな時間となるはずです。

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