前回、友人が「墓じまいをしようと思っている」と話してくれたことを書きました。
その話を聞いてから、少しづつお伝え出来ることを整理しています。
墓じまいをしたいと思っても、実際には何から始めたらいいんだろう?
私は葬儀の仕事長年携わっていますが、「墓じまいを考えているけれど、どこから手をつけたらいいのかわからない」というご相談は、ここ最近の新しい問い合わせとなりました。
今回は、墓じまいを実際に進めるための手順について、私なりにお伝えできることを整理してみたいと思います。

まず最初に考えたいこと
墓じまいを進める前に、まず立ち止まって考えておきたいことがあります。
事前準備1)家族や親族との話し合い
お墓は、一人だけのものではないんですよね。
兄弟姉妹、子どもたち、場合によってはいとこやおじ・おばなど、関係する親族がいるかもしれません。
「墓じまいをしようと思っている」
そう決めても、いきなり進めてしまうと、後で「聞いていない」「なぜ相談してくれなかったのか」とトラブルになることがあります。
時間がかかっても、関係する家族や親族には、まず想いを伝えて、話し合う。
それが、後々のわだかまりを防ぐ第一歩だと思います。
事前準備2)お寺様との関係
もし檀家になっているお寺があるなら、お寺様への相談も大切です。
「墓じまいをします」といきなり伝えるのではなく、
「こういう事情で、墓じまいを考えているのですが」
と、まずは相談という形でお話しされると良いかもしれません。
お寺様も、檀家の方の事情を理解してくださることが多いです。ただ、離檀料(檀家をやめる際のお布施)のことなど、事前に確認しておくと安心ですね。

墓じまいの大まかな流れ
墓じまいには、大きく分けて二つのステップがあります。
ステップ1:今あるお墓をどうするか
- 墓石を撤去して、更地にして返す
- 石材店に依頼する
- 費用の見積もりを取る
ステップ2:取り出したご遺骨をどうするか
- 新しい納骨先を決める
- 永代供養墓、納骨堂、樹木葬など
- 改葬の手続きをする
この二つを、両方考えていく必要があるんですね。
誰に相談したらいいの?
墓じまいを進めるとき、相談先はいくつかあります。

1. 今のお墓がある霊園や墓地の管理者
まず最初に相談すべきなのは、今お墓がある場所の管理者です。
- 寺院墓地なら、お寺様
- 民営霊園なら、霊園の管理事務所
- 公営墓地なら、自治体の窓口
墓じまいをするには、管理者に「埋蔵証明書」などの書類を発行してもらう必要があります。どんな手続きが必要か、まず確認されると良いと思います。
また、民営霊園の場合、指定石材店制度があることも。その場合は、指定された石材店に依頼することになります。

2. 石材店
墓石の撤去は、専門の石材店に依頼します。
でも、石材店選びは慎重にしたいところですよね。
見積もりは複数取る
墓石の撤去費用は、お墓の大きさ、立地、基礎の状態などによって大きく変わります。
不安であれば、一社だけに頼むのではなく、できれば2〜3社から見積もりを取って比較されると安心です。もしくは、こういった話をしていると実際の経験者がいる場合がいます。そういった方からの紹介なら安心度は高まるかもしれません。
こんな石材店は注意
- 「一式○○万円」と大雑把な見積もりしか出さない
- 後から追加料金が発生する可能性を説明しない
- 見積もりの内訳が不明確
- 急かすような営業をしてくる
信頼できる石材店の特徴
- 実際に現地を見て、丁寧に見積もりを出してくれる
- 内訳を詳しく説明してくれる
- 作業内容や期間を明確に伝えてくれる
- 質問に丁寧に答えてくれる
- 地域で長く営業している実績がある
全優石(全国優良石材店の会)のような業界団体に加盟している石材店を選ぶのも、一つの目安になります。

3. 行政書士や専門業者
墓じまいには、改葬許可証などの行政手続きが必要です。
書類の準備や手続きが不安な場合は、行政書士や墓じまい専門の代行業者に相談することもできます。
ただし、代行料が別途かかりますので、費用と手間を天秤にかけて判断されると良いと思います。
4. 新しい納骨先
墓じまいをするということは、ご遺骨を新しい場所に移すということです。
- 永代供養墓
- 納骨堂
- 樹木葬
- 新しいお墓
どこに納骨するか、早めに決めておく必要があります。
なぜなら、新しい納骨先から「受入証明書」を発行してもらわないと、改葬の手続きができないからです。
新しい納骨先を探すときも、いくつか見学して、説明をよく聞いて、納得して決めることをお勧めします。

費用について知っておきたいこと
墓じまいにかかる費用は、状況によって本当に様々です。
墓石の撤去費用
一般的に、1㎡あたり10万円〜15万円程度と言われていますが、これも条件次第で変わります。
費用が高くなる要因
- 基礎が深い、強固である(寒冷地など)
- 墓地が傾斜地や、重機が入れない場所にある
- 墓石が大きい、複雑な構造である
- 遠方である
全優石のウェブサイトでも説明されていますが、特に地面の下の「基礎」の状態によって大きく変動するとのことです。寒冷地では基礎が1メートル以上あることもあり、その場合は解体費用も割高になります。
「一式○○万円」という広告には注意
インターネットで「墓じまい一式○○万円」という広告を見かけることがありますが、後から思わぬ追加料金が発生することも多いそうです。

その他の費用
墓石の撤去以外にも、こんな費用がかかります:
- 閉眼供養のお布施(事前にお尋ねすることをおススメします)
- 離檀料(お寺によって異なる)
- 行政手続きの手数料(数百円〜数千円)
- 新しい納骨先の費用(選択肢によって大きく異なる)
- 開眼供養のお布施(新しいお墓の場合)
全体でいくらかかるかは、本当にケースバイケースです。
だからこそ、きちんと見積もりを取って、総額を把握することが大切なんですね。
手続きの流れ
墓じまいの一般的な手順は、こんな感じです:
- 家族・親族と話し合う
- お寺様や墓地管理者に相談する
- 新しい納骨先を決める
- 石材店に見積もりを依頼する
- 改葬許可申請の書類を準備する
- 改葬許可申請書(自治体から入手)
- 埋蔵証明書(今の墓地管理者から)
- 受入証明書(新しい納骨先から)
- 改葬許可証を受け取る(自治体から)
- 閉眼供養を行う(お寺様に依頼)
- 墓石を撤去する(石材店に依頼)
- ご遺骨を取り出す
- 墓地を更地にして返還する
- 新しい納骨先に納骨する
- 開眼供養を行う(新しいお墓の場合)
これだけの手順があるんですね。だからこそ、一つ一つ丁寧に進めていくことが大切だと思います。

友人の話から感じたこと
友人が「墓じまいをしようと思っている」と話してくれたとき、その言葉の裏には、たくさんの想いと、そして「どうしたらいいんだろう」という迷いもあったんじゃないかと思います。
墓じまいは、決めるまでも大変だし、決めてからも手順が多くて大変です。
でも、一つ一つ、順を追って進めていけば、必ずできます。
そして、信頼できる相談先を見つけることが、安心して進めるための鍵になるんじゃないかと思います。
困ったら、まず相談してみる
わからないことは、恥ずかしいことじゃありません。
お寺様でも、石材店でも、霊園の管理者でも、まずは相談してみる。
きっと、親身になって答えてくださる方がいらっしゃると思います。
次回は、「墓じまいをした後、ご遺骨をどうするか」という選択肢について、考えてみたいと思います。
墓じまいについてのご相談も、お気軽にお問い合わせください。答えを一緒に探していくお手伝いをさせていただきます。

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