「私の経験から伝えるね、そういう時はこうするべきよ」
年配の方からそう言われて、なんだか窮屈に感じたこと、ありませんか？
相談しようと思った親でも似たりよったりの言葉で、自分の考えを伝えようとしたのに最終的には相手の武勇伝や経験を聴くはめになったことって誰にでもあるのかもしれないですね。
私も若い頃、何度かそんな場面に出会いました。善意から言ってくれているのは分かる。でも、どこか押し付けがましく感じてしまう。
そして大人になった今でも、この善意の中にある押し付けに苦しさを感じたことがあったんです。 そして、その痛さを味わった後、私も良くやっているとも気づきを得ました。
知識や経験って、相手をコントロールする「武器」にもなるし、相手が自分の答えを見つける手助けになる「贈り物」にもなる。
その違いは何だろう？
年を重ねると、頑固になる？
「頑固になるってどういうこと？」
ふと、そんなことを考えました。
年齢を重ねると、知識や経験が増えていきます。理論的には、それらを活かして、もっと柔軟で寛容になれそうなものですよね。
でも実際には、逆のことが起こりやすい。
長年生きていると、うまくいった方法、成功した経験が積み重なります。すると「これが正しい」という確信が生まれる。そして「なぜ変える必要があるのか？」と感じてしまう。
経験が、「正解」を作ってしまうんです。
同じ経験でも、違う方向に向かう人たち
でも不思議なことに、同じように年を重ね、同じように知識や経験を得ても、頑固になっていく人と穏やかで柔軟になっていく人がいます。
この違いは何だろう？
私が思うに、知識の使い方が違うんです。
頑固になる人は、知識を武器として使います。
- 「自分が正しい」ことを証明するために学ぶ
- 過去の失敗を認めたくないから、それを正当化する理屈を積み重ねる
- 「私が間違っている」と認めることは、自分の価値を失うことだと感じる
一方、穏やかになる人は、知識を贈り物として使います。
- 世界の複雑さを知るほど、簡単に断言できないことに気づく
- 「あの時は間違っていた」と認められる
- 失敗から学んで軌道修正できる
- 自分の経験を、押し付けではなく、分かち合おうとする
頑固さにも、メリットがある
ここで一つ、大切なことを。
「頑固＝悪、柔軟＝良」って、本当にそうでしょうか？
実は、頑固さにもメリットがあります：
- 周りが反対しても、信念を貫ける強さ
- 流行や他人の意見に流されず、自分の価値観を守れる
- 簡単に諦めない粘り強さ
正義のために戦う活動家や、新しい発見を信じ続けた科学者。ある種の「頑固さ」がなければ成し遂げられなかったこともたくさんあります。
だから、単純に「柔軟であればいい」わけじゃない。
頑固と柔軟の間に生きる
私が目指したいのは、頑固と柔軟の間に生きることです。
核となる信念は頑固に守りながら、表現や視点は柔軟にする。
例えば結婚について。私は結婚の素晴らしさを信じています。でも同時に「結婚だけが幸せじゃない」という視点も大切だと思う。
自分の経験を語りつつ、「でも、時代も状況も違うから、あなたの答えはあなたが見つけるものだよ」というスタンスを持つ。
一見矛盾するような複数の真実が、同時に存在することを認める。
それが、知識を「武器」ではなく「贈り物」として使うということだと思うんです。
私の場合：「なぜ？」が止められない
正直に言うと、私は「なぜこんな風になっているのか？」を探求することがやめられません。
今日の正解を見つけても、明日また問い直してしまう。その時の正解は確認して、確信もする。でも、それが永遠の正解だとは思わない。
一見矛盾しているように見えるかもしれない。「その時の正解を確信している」のに、「永遠の正解としない」って。
でも、これが私なりの「凝り固まらない生き方」なんです。
ただ、これは私のやり方。
あなたは違うかもしれない。
「なぜ？」を問い続けることが心地よい人もいれば、一つの答えにしっかり根を張ることが安心な人もいる。大切に守りたい答えを持ち続けることが、その人の強さになることもある。
どの生き方も、間違いじゃない。
大切なのは、自分の答えを他人に押し付けないこと。そして、他人の生き方も尊重すること。
それだけだと思うんです。
私が大切にしたい見解
特に私が大切にしたいのは、この考え方です。
年を重ねて得た知識や経験を、相手をコントロールする武器として使わない。
「私の経験では、こうするべき」 「私の時代は、こうだった」
それを押し付けるのではなく、相手が自分の答えを見つける手助けになるように使いたい。
もちろん、経験から「これは危ない」と強く伝えるべき時もあります。安全や健康に関わることなら、はっきり言うべきです。
でも、それと「私のやり方が正解」を押し付けるのは違いますよね。
愛されるおばあちゃん・おじいちゃんを目指して
私が目指すのは、「愛されるおばあちゃん・おじいちゃん」です。
それは、こんな人だと思うんです：
- 自分の信念はしっかり持っている（頑固さ）
- でも、相手の考えも尊重できる（柔軟さ）
- 知識や経験を、武器ではなく、贈り物として分かち合える人
年を重ねるって、知識や経験で武装して固まることじゃない。
むしろ、しっかりとした軸を持ちながらも、それを絶対視せず、常に学び続けられる強さを持つこと。
頑固と柔軟の間に生きること。
知識を、武器ではなく、贈り物として使うこと。
それが、私の目指す「年の重ね方」です。
あなたは、どう思いますか？
あなたの知識や経験は、武器ですか？それとも贈り物ですか？
あなたなりの答えを、見つけてほしいです。
＃結活 ＃結葬
