多くの方にとって「終活」という言葉は聞いたことがあっても、実際に何から始めればいいのか分からないものです。でも安心してください。この記事では、終活初心者の方でも迷わずに始められる5つのステップを詳しく解説します。これから終活を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
終活の始め方ステップ1:自分の「終活の目的」を明確にする
終活を始めるにあたって最初に行うべきことは、「なぜ終活をするのか」という目的を明確にすることです。終活の目的は人それぞれ異なります。
- 家族に迷惑をかけたくない
- 自分の希望通りの最期を迎えたい
- 財産を円滑に引き継いでもらいたい
- 残された時間を充実させたい
- 思い出の品や大切なものを整理したい
あなたにとっての終活の目的は何でしょうか?この問いに答えることで、何を優先すべきかが見えてきます。まずはノートに自分の思いを書き出してみましょう。明確な目的があれば、終活の道筋が立てやすくなります。
具体的な行動ポイント
- 静かな時間を作り、「なぜ終活をしたいのか」を考える
- 思いついた目的をすべてメモする(数が多くても大丈夫です)
- 書き出した中から特に重要だと感じる目的に印をつける
- トップ3の目的を決める
目的が決まったら、「私の終活の目的は〇〇です」と宣言してみましょう。この一文が、あなたの終活の指針となります。

終活の始め方ステップ2:エンディングノートで情報を整理する
終活の具体的な第一歩として、多くの専門家がエンディングノートの作成を勧めています。エンディングノートとは、自分の人生の情報や希望を記録するものです。
エンディングノートに記載すべき基本情報
- 個人情報(氏名、生年月日、住所、連絡先など)
- 家族・親族の連絡先
- 財産情報(預貯金、不動産、保険、有価証券など)
- 負債情報(住宅ローン、借入金など)
- 医療や介護に関する希望(延命治療の有無など)
- 葬儀やお墓に関する希望
- 大切な人へのメッセージ
市販のエンディングノートを購入してもよいですし、自分でノートを用意して書き始めることもできます。一度に全てを埋める必要はありません。思いついた項目から少しずつ記入していきましょう。
エンディングノート作成のコツ
- 難しく考えすぎず、分かる範囲で記入する
- 定期的に内容を更新する(年に1回程度)
- 重要書類(保険証券、権利書など)の保管場所も記載する
- 家族に「エンディングノートを書いている」ことを伝えておく
- ノートの保管場所を家族に知らせておく
エンディングノートは、これから終活を深めていくための「基本地図」のような役割を果たします。まずは簡単な項目から埋めていき、終活が進むにつれて詳細を追加していきましょう。
終活の始め方ステップ3:身の回りの整理から始める
終活の中で比較的取り組みやすいのが、身の回りの物の整理です。いわゆる「生前整理」と呼ばれるもので、不要なものを減らし、必要なものを分かりやすく整理することで、自分自身の生活も快適になり、将来的に家族の負担も減らせます。
生前整理の進め方
- 小さな範囲から始める:まずは引き出し一つ、本棚一段など、小さな範囲から始めましょう。
- 3つに分類する:「残すもの」「捨てるもの」「迷うもの」の3つに分けます。
- 「残すもの」の理由を考える:なぜそれを残したいのか理由を明確にしましょう。
- 「捨てるもの」は思い切って手放す:感謝の気持ちを持って別れを告げます。
- 「迷うもの」は一時保留にする:期限(例:3ヶ月後)を決めて再検討します。
特に写真や手紙など思い出の品は、整理が難しいものです。しかし「すべてを残す」のではなく、特に思い入れのあるものを厳選することで、本当に大切なものが明確になります。
デジタルデータの整理も忘れずに
現代の終活では、スマートフォンやパソコンのデータ整理も重要です。
- 重要な写真は印刷するか、クラウドにバックアップする
- パスワードリストを作成し、保管場所を家族に伝える
- SNSアカウントの死後対応設定を確認する
- 不要なデジタルデータは削除する
物の整理は、一度にすべてを完璧にする必要はありません。1週間に1時間、1ヶ月に1カ所など、無理のないペースで少しずつ進めることが長続きのコツです。

終活の始め方ステップ4:遺言書と相続対策を考える
終活を進める中で避けて通れないのが、遺言書の作成と相続対策です。特に財産がある場合や複雑な家族関係がある場合は、早めの対策が重要です。
遺言書の基礎知識
遺言書には主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2種類があります。
自筆証書遺言
- 自分で書いて作成する
- 費用がかからない
- 全文自筆、日付記入、署名、押印が必要
- 法務局での保管制度も利用可能(手数料あり)
公正証書遺言
- 公証役場で公証人に作成してもらう
- 作成費用がかかる(財産額により異なる)
- 証人2名が必要
- 原本は公証役場で保管されるため紛失の心配がない
初心者の方には、専門家のサポートを受けられる公正証書遺言がおすすめです。
相続対策の基本
相続トラブルを防ぐための基本的な対策をいくつか紹介します。
- 財産目録を作成し、定期的に更新する
- 預貯金や不動産の名義を確認する
- 生命保険の受取人を明確にする
- 相続人同士で生前に話し合いの場を持つ
- 必要に応じて「民事信託」や「家族信託」を検討する
遺言書や相続対策は専門的な知識が必要です。税理士や弁護士など、専門家に相談することをおすすめします。各地域の自治体や金融機関でも無料相談会を実施していることがあるので、活用するとよいでしょう。
終活の始め方ステップ5:葬儀やお墓の希望を決めておく
最後のステップは、自分の葬儀やお墓についての希望を考え、家族に伝えておくことです。これは多くの方が避けたいと思うテーマかもしれませんが、事前に決めておくことで、家族の精神的・経済的負担を大きく軽減できます。
葬儀に関する希望を考える
- 葬儀の規模(家族葬、一般葬、社葬など)
- 宗教や宗派(仏教、神道、キリスト教、無宗教など)
- 葬儀の予算
- お花やお香典についての希望
- 参列してほしい人のリスト
- 遺影写真の指定
家族葬など小規模な葬儀を希望する方が増えています。予算面でも負担が少なく、親しい人だけで見送れるというメリットがあります。
お墓や供養方法について考える
現代では、従来の墓石だけでなく、様々な供養方法があります。
- 従来の墓石(寺院墓地、公営墓地、民間霊園)
- 樹木葬(樹木の下に埋葬する)
- 永代供養墓(管理者が長期的に供養してくれる)
- 納骨堂(室内施設に安置する)
- 散骨(海や山に散布する)
- 手元供養(遺骨の一部を特殊加工してアクセサリーなどに)
地域によって選択肢や費用が異なるため、お住まいの地域で利用できるサービスを調べてみましょう。また、家族との話し合いも重要です。あなたの希望と家族の気持ちの両方を尊重できる選択が理想的です。

終活の始め方まとめ:無理せず自分のペースで進めよう
ここまで終活の始め方の5つのステップを紹介してきましたが、すべてを一度に進める必要はありません。終活は「終わり」を考えるのではなく、「今をより良く生きる」ためのものでもあります。
終活を続けるコツ
- 小さな一歩から始める
- 完璧を目指さない
- 気が重くなったら一休みする
- 同じ興味を持つ仲間を見つける
- 専門家のアドバイスを適宜取り入れる
終活は一度始めたら終わりというものではなく、人生と共に変化していくものです。定期的に見直し、更新していくことが大切です。
終活で得られるもの
終活を進めていくと、意外な副産物があります。
- 自分の人生を振り返るきっかけになる
- 家族との絆が深まる
- 物への執着から解放される
- 残された時間の大切さを実感できる
- 心の整理ができて安心感が生まれる
「終わり」を意識することで、「今」をより豊かに生きることができるのが終活の素晴らしさです。
初めての終活は不安や戸惑いがあるかもしれませんが、この記事で紹介した5つのステップを参考に、ぜひご自身のペースで始めてみてください。終活は「終わり」のための活動ではなく、「より良い人生」のための大切な時間なのです。
この記事が終活を始めるきっかけになれば幸いです。何か質問やご相談があれば、お気楽に、結葬のかとう のお問い合わせフォームか、お電話でお問い合わせください。