結活とは何か
終活の手前にある、人生を結び直す活動。 これまでの人生で切れてしまった縁、ほつれてしまった関係、 途切れてしまった想い。
それらをもう一度、丁寧に結び直していく。 そんな時間を、私は「結活」と呼んでいる。
「ありがとう」は想像する力から生まれる
「ありがとう」は、簡単そうで実は難しい。
なぜなら、「ありがとう」を本当に言えるようになるには、想像する力が必要だから。
目の前の出来事を、良いか悪いかで判断してしまう。 そこで思考を止めてしまうと、「ありがとう」は生まれない。
でも、もう一歩踏み込んで想像してみる。
- この出来事が、何につながるのだろう?
- この経験は、私に何を教えようとしているのだろう?
- このきっかけが、未来にどんな意味を持つのだろう?
過去を振り返り、今を見つめ、未来を思い描く。 時間を行き来しながら、点と点を結んでいく。 その線の先に見えてくる景色が、「ありがとう」を生む。
想像する力。 それは、見えないものを見る力。 まだ起きていないことを感じる力。 つながっていないものを結ぶ力。
「ありがとう」は、想像力がなくては起こせないミラクルワード。

想像が苦手な人へ〜先払いのありがとう〜
でも、正直に言うと、想像するのは難しい。 特に、空想が苦手な人にとっては、途方もないことに思えるかもしれない。
そんなときは、順番を逆にしてみてはどうだろう。
意味を見つけてから「ありがとう」を言うのではなく、 先に「ありがとう」を言ってみる。
まるで先払いのように。 まだ何も見えていないけれど、 まだ何もわかっていないけれど、
「ありがとう」と、先に言葉にしてみる。
すると、不思議なことが起こる。
「ありがとう」と口にした瞬間から、 脳が勝手に「ありがとうの理由」を探し始めるのだ。
- なぜ、私はこれにありがとうを言ったのだろう?
- この出来事の、どこに感謝できるのだろう?
- ここから、何が生まれるのだろう?
そう考え始めると、見えなかったものが見えてくる。 気づかなかったことに、気づき始める。
そして、「ありがとう」を見つけるきっかけとなる出来事が、 たくさん起こり始めるかもしれない。
それは、偶然かもしれない。 それは、気のせいかもしれない。
でも、もしかしたら、 「ありがとう」という言葉が持つ力が、 現実を少しずつ変えていくのかもしれない。
先払いのありがとう。 それは、想像力が育つまでの、小さな希望。

何かの出来事に「ありがとう」を探す力
人生には、さまざまな出来事が起こる。
嬉しいこと、悲しいこと。 思い通りになること、ならないこと。 出会いもあれば、別れもある。
結活とは、そのすべての出来事に「ありがとう」を探す力を育てることなのかもしれない。

良い悪いに収めない

「あのとき、ああしていれば」 「あの人との別れは、失敗だった」 「あの選択は、間違いだった」
良い悪いで判断すると、そこで終わってしまう。 後悔か、満足か。その二つだけになってしまう。
でも、出来事を良い悪いに収めない。 そこから何が生まれたのか、何につながったのかを想像する。
すると、見える景色が変わってくる。
別れがあったから、今の自分がいる。 失敗があったから、大切なことに気づけた。 傷ついたからこそ、人の痛みがわかるようになった。
そう思えたとき、「ありがとう」が自然に口をついて出る。

きっかけを「ありがとう」につなげる力
結活で大切なのは、きっかけをありがとうにつなげる力。
たとえば、
- 久しぶりに連絡をくれた旧友
- ふと思い出した昔の記憶
- 偶然再会した懐かしい人
- 心に残っていた未練や後悔
これらのきっかけを、「良かった」「悪かった」で終わらせない。
「なぜ今、この人のことを思い出したのだろう?」 「この再会は、私に何を伝えようとしているのだろう?」
そう想像することで、きっかけは意味を持ち始める。
そして、その意味に気づいたとき、 「この出来事があってくれて、ありがとう」と思えるようになる。
結び直しの活動だからこそ
結活は、結び直しの活動。
一度切れた縁を、もう一度結ぶ。 離れてしまった人と、心を通わせる。 忘れかけていた想いを、もう一度抱きしめる。
でも、結び直すということは、昔のままに戻ることではない。
今の自分だからこそ、 苦労を重ねた自分だからこそ、 人生を歩んできた自分だからこそ、
見えるものがある。 わかることがある。 感じられることがある。
だから、結び直しは、新しい結びなのだ。

終活の手前だからこそ、できること
終活は、人生の終わりに向けて整える活動。
では、その手前にある結活は何か。
人生の終わりを意識し始めたとき、 ふと気づく。
「あの人に、ちゃんと伝えておきたいことがある」 「あの出来事に、決着をつけておきたい」 「あの頃の自分に、ありがとうと言ってあげたい」
そんな想いが湧いてくる。
結活は、人生の終わりに向けて心を整える前に、 人生の途中を結び直す時間。
だからこそ、「ありがとう」を探す力が必要になる。

想像力が開く、新しい扉
「ありがとう」を探すには、想像力がいる。
- あの出来事がなかったら、今の私はいない。
- あの人との出会いが、私を変えてくれた。
- あの苦しみがあったから、今の幸せがある。
そう想像できたとき、人生のすべてがつながっていく。
バラバラだった出来事が、一本の糸でつながる。 意味がわからなかった経験が、ストーリーになる。
それが、結活の醍醐味なのかもしれない。
おわりに
結活は、終わりに向かう活動ではない。 結び直して、もう一度歩き出すための活動。
「ありがとう」は、魔法の言葉ではない。 想像する力を使って、自分で生み出すミラクルワード。
出来事を良い悪いで判断せず、 きっかけを意味に変えていく。
そんな「ありがとう」を探す力こそが、 人生を結び直す鍵になる。

あなたの結活が、ありがとうで満ちた時間になりますように。
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