断捨離は片付けの話じゃない【第2回】―『とりあえずしまう』は、問題の先送りという名の逃げ

stack of jigsaw puzzle pieces

500円の刈谷市民講座、山下ひで子さんの断捨離講座・2日目です。

前回、「断捨離は片付けの話ではなく、ご機嫌な自分を取り戻す話だ」という衝撃を受けました。

そして今日。 山下さんの辛口トークは、さらに私たちの核心を突いてきます。

「しまう場所がない!」という悩み

「片付かない」と嘆く人の多くが口にする言葉。

「しまう場所がないんです」

本棚がいっぱい。 クローゼットがパンパン。 冷蔵庫に入りきらない。

だから片付けられない。 だから、どうするか?

brown and white coat hanged on rack

収納グッズという「足し算の罠」

カゴを買う。 クリアボックスを買う。 突っ張り棒を設置する。 スリム家具を追加する。

「しまう場所を増やせば、片付く」

そう思っていませんか?

山下さんは、ここで鋭く切り込みます。

cardboard box lot

「しまう」=「隠す」=「保留」

しまったら、わからなくなる。 「とりあえずしまっておこう」と言って、実は保留しているだけ。

収納空間に突っ込む癖がある私たち。

畳み方を工夫したって、結局は突っ込んでいるだけ。 もっと言えば、隠しているだけ。

そしてまた「足りない」と感じて、カラーボックスを買い足す。

山下さんは、こんな例えを使いました。

「会場にある通路に補助席を置く。そうすると人の出入りは苦しくなる」

まさに今、私たちが座っているこの会場で。 通路に補助席を置けば、確かに座席は増えます。 でも、人の出入りはどうなるか? 苦しくなる。動きにくくなる。

これは、わざわざ隙間に工夫してスリム棚を置いたり、突っ張り棒でスペースを埋め込む行動とそっくりだと。

収納を増やすことで、かえって生活動線を塞いでいる。 その矛盾に、私たちは気づいていないのです。

red and white Stop road sign near green tree

断捨離が伝えたいこと―引き算の哲学

ここで、山下さんは断捨離の核心を語ります。

断(不要なものを断つ)

捨(不要なものを捨てる)

離(ものへの執着から離れる)

この3つに共通することは何か?

引き算の思考と行動

足し算で解決しようとする私たちに、断捨離は「引き算で解決する道」を示します。

black text

私たちは「多すぎる」ことで悩んでいる

私たちの悩みの本質。 それは「多い」「多すぎる」ことにあるのです。

物が多すぎるから。 多すぎることで招く混乱。

自分の現状認識が甘く、 手に余る。 手に負えない。 手の施しようがない。

片付けグッズで、本当に片付くのでしょうか?

selective focus photography of stack of stones

「手に入れる」は得意、「手入れする」は苦手

そして、山下さんは私たちの本質を突きます。

手に入れるのは、大好き。

でも、手に入れたものを手入れすることには興味はない。 手に入れた時だけ、嬉しい。 その後の手入れは二度としない、手に入れた嬉しさは本当に最初だけで終わっていく。

この言葉が、胸に刺さりました。

person touching purple petaled flowers

結活としての引き算

私が提唱している「結活」。 それは、人生の終わりに向かって準備する「終活」ではなく、人とつながり、自分とつながり、生き生きと「結ぶ」活動です。

山下さんの「引き算の哲学」を聞いて、気づきました。

「とりあえずしまう」という問題の先送り。 それは、今を生きることから逃げているのかもしれない。

物を手放すことは、執着を手放すこと 引き算することは、本当に大切なものに出会い向き合っていく事。

結活とは、まさにこの「向き合う勇気」なのだと。

明日も講座は続きます。 たった500円で得たこの豊かな学びを、引き続きお裾分けしていきます。

person holding yellow flammable balloon

※この記事は、刈谷市民講座で山下ひで子さんから学んだ内容を、私が聞いたまま、感じたままにまとめたものです。

(次回に続く)


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